人はどんなときに休職に追い込まれるのか|「裁量と役割の喪失」という一例

人はどんなときに休職に追い込まれるのか|「裁量と役割の喪失

「なんで自分は、休職することになってしまったのか・・・」

休職に入ってしばらく経って、気持ちがやっと落ち着いてきたころ。
私はその理由と、ちゃんと向き合ってみました。

この記事は、私の体験そのものです。
人が働けなくなっていくときって、こういう感じなのかもしれない——という一例として、同じようにしんどい方や、まわりの誰かが心配な方に届いたら嬉しいです。

ひとことで言うと「裁量と役割を、少しずつ失っていったこと」

原因をシンプルに言うと、「もともと持っていた仕事の裁量や役割を、じわじわ失って、気づいたら”決める場”から外れていた」。これが一番大きかったと思います。

将来担当を外れる予定の仕事。
でも、引継ぎを受ける側の準備が整っていないということで、2年以上も外れないまま、ズルズルと担当し続けている仕事がありました。
仕事のメイン担当はずっと現場でやり続けているのに、次第に物事を決める場には呼ばれなくなっていって・・・。
気づいたら「決まったことを、あとから聞かされる人」になっていました。
今までは、自分で決めて、自分でやれていた。
でも、あまり業務に詳しくない人が机上で決めて、そのやり方を私に押し付けてくる、、、
とてもやりづらいし、仕事が面白くない。。。

大きな異動とか、はっきりした担当替えとか、そういう分かりやすい出来事だけが人を追い込むわけじゃないんですよね。
じわじわ役割が削られていく。この静かな変化が、私の心をむしばんでいきました。

現場の感覚と、上の方針。その板挟み

もうひとつ大きかったのが、「現場の実感」と「組織として整えたい仕組み」のあいだで、ずっと板挟みだったこと。

やり方が見直される場面では、効率や統制を重視する方針と、私がずっと大事にしてきた現場目線とのあいだに、いつもズレを感じていました。
仕組みとしては整っていく。でも、細かくなりすぎたルールや過度なIT化が、現場の負担になっていることに気付いていた。

現場から「前より大変になった」っていう声を直接聞くことも増え、なんで今まで通りじゃダメなんだと責められることも増えていきました。私は組織の方針と現場感覚のあいだで、どちらにも応えきれなくなっていき、その苦しさが、少しずつ積もっていきました。

「自分、関わってるのかな?」が分からなくなる

決め事の多くは、私にとっては”事後報告”で進んでいきました。「何かあったら言ってね」というスタンスです。

でも、方向性がもう固まったあとで意見を聞かれても、実際に変えられることはほとんどなく、、、。
当事者のはずなのに、自分の意見が反映されないまま話が進んでいく。
その感覚が、じわじわ無力感に変わっていきました。

たとえこの先、担当が減っていく立場だったとしても。その過程にちょっとした対話とか、尊重があれば、受け止め方は全然違ったと思います。

責任は感じてるのに、権限がない。そして「断るコスト」

私はもともと責任感が強くて、担当した仕事には最後まで関わりたいタイプ。
だからこそ、「責任は感じてるのに、決める権限からは外されてる」という矛盾が、いちばん辛かった。

しかも、窓口の切り替えが組織としてちゃんと徹底されていなかった。
なので、今まで頼ってくれてた人たちからの連絡は、止まらないんです。
そのたびに「担当ではなくなったので、イントラネットのお問合せから入力してください。」と一人一人に案内する。
口頭では10秒で解決できることなのに、それが許されない。
この”断る作業”が、本来の仕事よりよっぽどエネルギーを使いました。

「自分ならすぐ解決できるのに、それは許されなくて、遠回りを案内する係しかできない」。
そんな日が続くうちに、「あれ、自分って、もう必要とされてないのかな。」とまで思うようになっていきました。

まとめ|静かな喪失が、人を追い込む

あらためて振り返ると、私を休職に追い込んだのは、ひとつの大きな出来事ではありませんでした。
裁量が減っていくこと。板挟み。関われないもどかしさ。責任と権限のズレ。
そういう小さな積み重ねが、少しずつ心の安全を奪っていった。

もし今、似たような状況ですり減ってる人がいたら。それ、あなたが弱いからではないです。
人がちゃんと力を出すには、役割と、決める場への関わりと、尊重がいる。
それが静かに失われていったら、誰だって疲れます。

私は今、この経験を糧にして、ちゃんと関われる場所で、もう一回自分の役割を果たしていきたいなと思っています。
同じようにつらい思いをしている人が、少しでも前を向けますように。

※この記事は私個人の体験と振り返りです。心身の不調が続くときは、無理せず医療機関や専門の窓口に相談してくださいね。

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